飲み会の帰り道、ひどく酔っ払った人が駅改札の近くで頭をもたれて座り込んでいた。ひどく泥酔しているようで、自分で起き上がれず唸り声をあげている。
そんな姿を見かけた友人が私に一声かけてさっとコンビニへ向かい、ポカリを買った足でそのままその人のところまで駆け戻った。「こういう時辛いですよね、ポカリ飲むと良いですよ」と一言だけ残し、手元にポカリを供えて帰っていった。
ちょっと前にこんな話をどこかで聞いた記憶がある。私なら躊躇うだろうその一瞬に彼は動いている。そのことに感心する。
誰かに手を差し出そうとする時、一瞬の躊躇いが私たちを出来事から遅らせ、遠ざけてしまう。だから、考える前に行動できることが少し羨ましい。
その人はそれを望んでいるだろうか。余計なお世話ではないだろうか。誰のための優しさなのか。傲慢ではないだろうか。そうした余計なことが一瞬頭をよぎる。開かれていた現実はその一瞬で閉ざされていたりする。
行為が相手に干渉しないのであれば、こちらから何かを施してみることは問題にならないのではないか。最終的には相手の判断を仰げばよいだろう。
優しさは瞬発力。